Lining pattern
今回は少し専門的なライニングに於けるパターンと縫製の話です。 以前から気になっていたことなのですが、オクスフォードシューズのタンをどのようにして取り付けるのが最も足入れに対して影響が少ないのかを考えていました。
というのも、これまでタンのないスリッポンや外羽根靴のような革靴においては全く問題のないラストであっても、オクスフォードシューズにおいてはそのタンの付け方次第で靴の履き皺に少なからず影響してくるようなのです。 そこで今年から、各メイカーのパターンを参考にして、幾つかのパタンと縫製のあり方を再度検討しようということで、様々な内羽根靴のタンの取り付け方を見てみました。 数々のメイカーを見てきた中では革を効率よく当てはめる歩留まりや、縫製の手間を考えて作成することが基本的な原則であるようです。とはいえ、それらを全く度外視して作成しているメイカーも幾つか見ることができました。
また、パタンの取り方にも個性があるようで、パタンナーの個性がタンの形状に現れてくるようです。まぁ、こういうのはパタンが使いまわせたほうが効率的であるとも言えるので、一概に否定もできませんが。
さて、最終的にわれわれが導き出した結論としては、次の2点。
1.革は極力重ならないようにすること
2.可能な限りスリッポンや外羽靴のように、ワンピースで作り上げること
革の歩留まりや縫製の手間はかかるものの、この2点を踏まえたパタンを採用するという方策を選択し、大規模なパタンの修正を図りました。
もちろん、現時点ではこの方法が最良と考えているのですが、まだ再考の余地はあるものとし、柔軟にやり方を変更していきたいところです。