若き仕立て職人と靴職人②
こんにちは
靴職人見習いの村上です。
前回は自分が製作した靴を紹介したので、今回は製作していただいたジャケットを紹介します。
正直ジャケットを所有した事がないため、素材やサイズ感等の知識がありませんでした。もちろん興味はありましたが、なかなか敷居が高いイメージやオシャレすぎるようなイメージが先行して、チャレンジできていませんでした。ただ、今回仕立て職人さんのMさんとの出会いと清角さんの素敵な提案、自分が30歳になったこと等がきっかけとなり、自分の体に合ったジャケットを着る機会が生まれました。本当にありがとうございます。
さて、製作していただいたジャケットを見ていただきましょう。
仕様としては、サイドベンツや袖口ボタン一つ、バルカポケット等です。
イタリアの手縫い製法で仕立てられているため、立体的で流れるような形をしているように見えます。着用してみて、首から肩、腰にかけて変なシワが入ることなく、体に無理なく沿ってくれているように感じたのと同時に、軽くて疲れにくいようにも感じました。自分の体型は細身で前肩(横から見て肩が前に位置している)、イカリ気味(なで肩ののように肩が下がっているのではなく、上がっている感じ)で割と鎖骨が出っ張っているとの事でした。職人さんに前肩、イカリ気味の方は多いそうです。理由として、製作に集中するあまりに前のめりになりがちなことが挙げられると言われていました。自分のような体格の人は、仕立て屋にとっては製作するのが難しいそうで苦戦されていたのが印象的で3~4回仮合わせをしました。
ジャケットを納品していただいてから、市内のオーダースーツ店にてパターンオーダーのスーツを着用してみたところ、ツキジワ(スーツの背中の首の下あたりに入る横一本のシワの事)が入っていることに気がつきました。原因として、前肩でイカリ気味なんだろうなと思います。これは仕立てていただいたことで気がついた点の一つでして、既製品ばかりを身につける事では気が付かなかった事だと思います。
今回の経験を通して、革靴の製作技術が向上してきたことが感じられましたし、課題点も見つける事ができ大変大きな収穫となりました。また、仕立て職人さんとの会話やジャケットを実際に着用することで見えてきたものがあるように思います。改めて本当にありがとうございました。
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