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靴製作時のイス『habitat  Elephant Stool white』について

こんにちは。靴職人見習いの村上です。

当工房にはいくつかの椅子があります。その中でも今回は、自分が毎日座って作業している椅子について紹介します。




Corno bluに来て早くも一年が経とうとしていますが、何気なく座って作業している椅子について、「なぜ自分はお風呂の椅子の上でいつも作業しているんだろう。。」と疑問が出てきました。そんな疑問を清角さんに投げかけたところ、思いもしない言葉が返ってきました。「ずっと、風呂の椅子だと思ってたんかい!」とのことで、驚き笑いました。 この椅子は、イギリスのhabitat(ハビタ)社 から販売されたエレファントスツ―ル(象×椅子)とのことです。調べてみると、デザイナー柳宗理※のアトリエで使う為の丈夫で安定性のある工作用椅子として1950年代にデザイン・販売された後に生産中止になったものをイギリスのhabitat社で復刻生産したもののようです。

復刻した期間が2000~2002年頃と短くオリジナルと同じFRP(ガラス繊維で補強したプラスチック)素材という事もあり、habitat社のものは現在では希少価値の高いとされているそうです。

また、現在ではスイスのVitra(ヴィトラ)社から環境に考慮された素材のポリプロピレン製のモデルが再復刻生産されているようです。ポリプロピレン製は環境に優しく安価で加工しやすい利点がありますが、FRPほど滑らかな曲線を描くことができないために見た目の違いがあります。habitat社製はツヤのある質感で、Vitra社製はマットな質感の印象です。


普段は椅子の上に柔らかいクッションを置き、その上に座って作業をしています。お風呂の椅子ではなく、希少価値の高い椅子の上で作業をしていると思うと身が引き締まる思いです。

普段何気なく使用している道具に注目してみると、新たな発見もあり面白いものですね。





※20世紀に活動した日本のインダストリアルデザイナーで、代表作は「バタフライスツール」。ユニークな形態と意外な実用性を兼ね備えた作品が多く知られています。

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